4年間の資格停止処分をした一見厳しい競輪界の実態に迫る

競輪にはドーピング問題が存在し、2014年にドーピングをカミングアウトして引退した泉利和選手や、2018年にドーピング検査で陽性が出た4年の資格停止処分を受けた伊藤成紀選手などの事例があります。

ドーピング問題

ドーピングで使用される薬の例

競輪は、自転車(マシン)のギア設定などで差別化を図れるものの基本性能は同じため、選手の脚力、瞬発力、持久力で勝敗が決まります。
競輪は公営競技の中でもスポーツ性が高く、ドーピングを活用するメリットが大きい特性を持ちますが、はたして競輪でドーピング不正は行われているのでしょうか?

残念ながら少なからず競輪には、過去から現在にかけてもドーピング問題が見え隠れしています。
これまで施行者の管理・検査・選手への教育がしっかりしていないことが問題視されていましたが、2018年に伊藤成紀選手がドーピング違反で4年の出場停止になる重たい処分を受けました。 
今後はドーピングへの対応や取り締まりが変わっていく可能性がありますが、根本的なシステムが変わらない限りは撲滅させるのが難しい状況です。

競輪におけるドーピング検査

競輪では全レース(全開催)および全選手に対するドーピング検査を行っていません。
競輪でのドーピング検査は主に次の2種類があります。

・特定の重賞での事前告知検査
・抜き打ち検査(あらかじめ対象レースと○着以内などの対象者が告知される)

極端な話、悪意のあるドーピングを行っていても、重賞の時だけドーピングをしない。
そして抜き打ち検査で対象レースに出走する時にワザと負けてしまえば、ドーピングがバレることはありません。
こうした環境から当たり前のようにドーピングが行われているのが競輪界の実情です。

ドーピング検査で陽性

2018年に伊藤成紀選手に対して行った全日本プロ選手権自転車競技大会のドーピング検査の結果、陽性反応が出て4年間の資格停止処分が下されました。
ここまで長期の資格停止処分が出るのは異例のことで、競輪の施行者はドーピングに対する取り締まりを強化している可能性があります。

ちなみに、2007年には伊藤信選手が医師から処方された喘息の薬で陽性反応が出た事例がありますが、この際は選手側の落ち度が低いことから3ヶ月の資格停止処分で済んでいます。
伊藤成紀への処分は、見せしめの目的もあったのかもしれません。

卒業からデビューまで

現在も重賞で決勝進出できない選手を中心にドーピングをしている選手がいる可能性が高く、一部ではドーピング検査の対象レースだけ意図的に負けている選手もおそらく存在します。

伊藤成紀選手への厳しい資格停止処分によって、ドーピング選手が減少した可能性もありますが、前日検査や勝者に対して頻繁にドーピング検査を行うように変更しない限り、ドーピング問題は解決しないでしょう。

プロの車券師は重賞の勝負所で極端に成績が悪くなる選手のデータなどを考慮して予想しています
競輪初心者から見ると、ドーピングに対して緩い現状を知ると萎えてしまうかもしれませんが、データ分析を適切に行っていれば選手のドーピング有無に関わらず効率の良い予想が可能です。