予想をするなら知っておきたい競輪のルールと違反についての基礎知識
競輪のルール

競輪は他の公営競技と同じ競走方式で、ゴールラインを通過した着順を競う競技です。
的中車券の判定は簡単ですが、多数の違反行為や戦略による駆け引きが存在し、意外なほど奥が深いです。
競馬や競艇、オートレースの知識がある人でも競輪ならではのルールを理解しておかないと効率の良い予想ができません。
初心者に向けた競輪ルールの基礎知識をまとめました。
競輪の出走数
競輪は1レースにつき9人まで出走できます。最小は5名でミッドナイト競輪とA級チャレンジ戦および一部のA級1・2班戦では7名によって争われます。
優勝者を決める大会の場合、選手のパワーバランスによるマッチメイクが平等になるように編成が行われた上で予選を行い、上位者が準決勝・決勝への駒を進めていきます。
その他の競走では一部で選手のランクに偏りを出した企画レースが行われることもあり、ランクが低い選手でも一定数は上位を目指せるようなレースが組まれるように調整されています。 競馬やオートレースのようなハンデキャップ競走はありません。底辺の選手は年間数十戦して1回も勝てないケースもあります。
競輪の競走コース
競輪はバンクと呼ばれる擂鉢状のコースを周回します。
競輪場ごとに1周の長さは500m、400、333mの3種類があります。
大半のレースは2,000m前後になる距離で行われ、500m×4周、400m×5周、333m×6周が標準的な距離です。
KEIRINグランプリは400mバンク7周(2825m)など、一部のレースでは2,000mより1~2周多い設定になることもあります。
1周の距離が変わるとライン取りやバンクの活用方法が変わってくるため、選手ごとに距離の適正があります。
競馬だと芝とダートで得意・不得意が分かれるように、選手によって得意なコースが決まります。レース全体の距離に大きな違いはないので、多少の違いを問題にしない選手もいます。
スタートと先頭誘導員

競輪が特殊なのは、先頭誘導員がいて残り1周半までは先頭誘導員を追い抜いてはいけない、という点です。
つまり、先頭誘導員が離脱する後半1周半がガチの勝負になります。
3パターンのコースがあるので、実際の所は333m×1.5周の約500mから500m×1.5周の750mの攻防で勝敗が決まります。
先頭誘導員がいるのは、先頭は空気抵抗が大きくて不利な要素が強いからです。
ロードバイクの作品ですが、マンガやアニメの弱虫ペダルを見たことがある人は、先頭を走る負担の大きさを理解できると思います。
好スタートを決めれば有利になるワケではなく、選手の得意な脚質や戦法に応じた理想的なポジションを作れるかが重要です。
スタートは車番の順番で内側から1直線で並び、「パンッ」と音のなる機械の合図でスタートしますが、ポジション争いによって牽制し合うスロースタートになるケースが多いです。
ロケットスタートを切れば有利になるとは限らないのが競輪ならではの特徴です。
レース終盤
残り1周半になると先頭誘導員が離脱し、打鐘(ジャン)が鳴って選手が仕掛け始めます。
残り1周半でも先頭を走ると空気抵抗がある分だけ不利になります。
またバンクを上手に使うことで加速して選手を追い抜かすことも可能で、ライン取りや選手同士のポジション争いによって勝敗が変わります。
最後のコーナーで順位が大きく入れ替わることが多いのも競輪の魅力です。
1位になるのは力がないと難しいですが、1位の選手の後ろに付ければ実力が低い選手でも2位に入って穴車券が発生するケースが頻繁にあります。
競輪のルール違反
競輪には主に以下の違反行為があります。
- 斜行(他の選手を妨害するライン取り)
- 押圧(外側から選手を内側へと幅寄せする)
- 内側追い抜き(外帯線内側を前走する選手を内側から追い抜いてはいけない)
- 押し上げ(意図的に相手の選手を外側へ追いやる)
違反行為が認められた場合は失格になり、悪質な場合は出場停止などの処分を受けます。
失格になると級班を決める評価点から失格点が減点されるペナルティも加わります。
失格レースが発生する頻度は全体の3~5%ほどで、開催2日に1レースの割合で失格者が現れる計算です。
ルールの中で様々な戦法がある
横で併走する選手や後ろから来る選手に対して進路を妨害してはいけませんが、真後ろを走る選手をブロックするのはOKです。
ほかにも隊列の組み方やライン取りなど、競輪はルールの範囲内で幅広い戦法があります。
認められている戦法とダメなことの違いを判断できるようになると、競輪観戦が一層面白くなります。