難関を突破した未来のスター候補たちの競輪学校での生活とは?

競輪学校とは静岡県伊豆町にある競輪選手を養成する学校です。入試テストを通過するのは難関で生徒は10ヶ月にわたって軍隊並みに厳しい生活をします。入試テストの優秀な順番に決まる生徒番号や在籍中および卒業記念のレースはデビュー後の車券予想で重要な指標になります。

競輪学校とは

競輪学校の校舎

競輪学校とは、静岡県伊豆市(旧修善寺町)にある競輪選手の養成機関で、正式名称は日本競輪学校です。
2019年現在、年に1回の試験を実施し、競輪選手になるための訓練および公営競技の選手に必要な教養を学びます。

入試には経験者と未経験者に分かれた実技試験を行い、未経験でも身体能力が高ければ合格するチャンスがあります。
これまで元プロ野球選手やサッカー選手、陸上選手が競輪選手になった事例があります。 

競輪学校の生活

競輪学校では毎年5月中旬から3月中旬の10ヶ月に及ぶ教育が行われ、4月中旬より事前研修も始まります。
軍隊並みに厳しく指導されていて、全寮制で就寝時間や携帯電話を使える自由時間も制限されています。
競輪学校の場合は多くの未経験者が集まりセンスを求められる特性から、在籍中の成績が悪いと強制退学になることがありますが、体力勝負の競輪は試験に合格する難易度こそ高いものの、競輪学校に入学して真面目に勉強と訓練に取り組めば大半の生徒が卒業して、競輪選手の国家試験に合格します。

競輪学校の授業内容は座学、トラック練習、模擬レース、ロードの練習です。
競輪学校は姉妹施設の日本サイクルスポーツセンターが隣接されていて、そこでロードの練習や選手が自主練習を行っています。
日本サイクルスポーツセンターはマンガ「弱虫ペダル」にてインターハイ前の合宿で使われた場所としても有名です。

競輪学校の成績が重要な指標になる

競輪学校の生徒番号は試験の成績順で割り振られます。
自転車競技経験者で生徒番号が若い者は入学時点での完成度が高いことを意味します。
未経験者で生徒番号が若い場合は、身体能力などのポテンシャルが高い証拠です。
生徒番号が高い数字なのに卒業レースで好成績を残すのは、10ヶ月の競輪学校で成長をした証拠です。

競輪学校では10ヶ月の教育課程の中で、80~120戦前後の生徒同士のレースが行われ、その成績が公開されています。
毎年3月には卒業記念レースが伊東温泉競輪場で行われ、車券の販売はないものの観客を動員して結果はニュースで大きく報じられます。
競輪学校を首席で卒業した者や卒業記念レースの優勝者は有望株としてプロデビュー後も注目されます。

卒業からデビューまで

卒業および国家試験に合格すると、5月中旬から新人研修を受けて下期の7月中旬以降に所属した支部の近くでデビューすることになります。
競輪選手はS級(S班・1班・2班)とA級(1班・2班・3班)の6つのクラスに分かれていて、男性選手は全員1番下のA級3班からのスタートになります。
重賞に出るにはS級以上である必要があるため、どれだけ有望な選手でもG1を制して年末のKEIRINグランプリへの切符を手にするにはデビューから数年かかります。

2011年に深谷知広選手がデビュー後684日のG1最短優勝記録を樹立しています。
以前は新人同士のリーグ戦が開催されていましたが、予想が難しくてわかりにくいことから廃止されました。
デビュー間もないA級3班の選手は、競輪学校の成績や記録によっては、最初からベテラン選手と互角以上の勝負ができるので、穴車券を狙うチャンスが大きいと言われています。