競輪で「ライン」が重要な理由-レース展開が読めれば予想精度もアップ

ラインとは選手が隊列を組んで協調しながら走ることです。9車で行われる競輪では1~4つのラインができることがあります。選手が誰とラインを組むのか?ラインの中で何番手のポジションにつくのかなどラインの展開を予想すると車券予想が有利になります。

ラインとは

色とりどりに並ぶ自転車

ラインとは、競輪のレース中で選手が隊列を組むことです。
レースで勝つ選手は1人ですが、単独走行するとラインを組んだ他の選手に対抗するのが困難です。
また、競輪でもっとも有利なのは強い選手の後ろに付くポジションです。
先頭は空気抵抗を受けるロスがあるので、大半の選手は逃げに出るのではなくラインの中に入って有利な位置に付こうとポジション争いが繰り広げられます。

ラインの種類

競輪は原則9車で行われ、以下のタイプのラインがあります。

先行1車
  • 全体が縦1列のひとつのラインになる
2分戦
  • 2つのラインに分かれること。数が少ないと不利なので5:4のラインになることが多い
3分戦
  • 3つのラインに分かれること。3人×3組のラインのほか、4:3:2になることもあります。
4分戦
  • 主に3:2:2:2の細かい4つのラインに分かれることで細切れ戦とも呼ばれ、先頭がめまぐるしく入れ替わります。

ラインの組み方

ラインの組み方はレースの展開によって変わりますが、基本的には関係性が強く絆が強い選手同士がラインを組みます。
同じ競輪場の選手や同じ支部(都道府県)の選手になると一緒に走る機会が多く、一緒にラインを組んで走る選手の癖や性格を理解しているので、強いラインを組めるメリットがあります。
全国から選手が集まる重賞になると「近畿ライン」など地域に応じたラインが名付けられます。
重賞の決勝で関東勢が7車、関西勢が2車など極端な偏りが出ると、絆が強い選手が多いラインの方が有利になります。

競輪は相手選手との関係性によって優劣が変わることを覚えておきましょう。
序盤は絆が強い選手同士でラインを組んで強い選手に対抗しようとするものですが、レース展開によっては切り替えを行って他のラインに入る戦法も多数見られます。

競輪選手の脚質はロングスパートが得意な地脚タイプと瞬発力が得意なスプリンタータイプがあります。
実力上位選手でもスプリンタータイプだと、先行ポジションから逃げ切るのが難しいため、ラインの追い込み勢に入ったり、2番手以降のライングループの先行に入ります。
先頭ラインの1番手は主に地脚タイプで逃げ切りを狙っている選手が位置取ります。
戦法による選手同士の駆け引きを理解すると、どのようなラインになるのか展開予想がしやすくなります。

ラインの組み方に失敗すると勝てない

競輪は先頭が空気抵抗を受けるので追い込みとしてラインの2番手以降に入った方が有利です。
しかし、追い込みのポジションの場合、そのラインを先行する選手が先頭争いを繰り広げる段階まで行かないと手の打ちようがありません。
実力のある選手が入ったラインを間違えた影響で見せ場を作れず負けるケースもあります。

単独で強いライングループに入ればいいと考えるかもしれないですが、競輪は強引な割り込みをすると違反行為で失格になるリスクがあります。
強い信頼関係があるグループは、入り込む隙を作らないようにラインを組んでいます。1番後ろなら無条件で付くことができますが、そこから勝つには同じラインの前を走る選手を全員抜かないといけません。

ラインは絆が強い選手で組むことが多いですが、実力が高い選手は同じラインを組む相手が弱いことを理由に実力を出し切れないこともあります。
逃げや先行をするのであれば、相手の影響がそこまで大きくないですが、追い込みの選手にとってはラインの組み方が非常に重要です。
持続力がなく決まり手が差しばかりの選手は、毎回有利なポジションを取れるワケではないので勝率がそこまで伸びません。予想の際は意識しておきましょう。